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「食うために働くのではなく、働かんがために食うというのが、絶対の真理である」中村天風

 

■相続放棄

 

相続のパターン

【相続放棄の期限】

相続の承認期間の伸長

3か月経過後の相続放棄

相続放棄が却下された場合の対処法(即時抗告)】

相続放棄のメリット

相続放棄のデメリット

相続放棄を検討した方がよいケース

共有持ち分の相続放棄

 ■共有名義のメリット 

 ■共有名義のデメリット

生命保険金と相続放棄

【遺族年金等と相続放棄】

相続放棄をしても受け取れる財産

判断が分かれる財産

 ①死亡退職金

 ②高額医療費の還付金

相続放棄の流れ

相続放棄に必要な書類】

相続放棄の注意点

相続放棄と相続税申告

財産放棄

 

 相続放棄とは、文字通り「相続することを放棄する」手続きのことです。

「相続」は、財産を受け継ぐというのが一般的ですが、財産にはプラスの財産もあればマイナスの財産もあります。

被相続人に多額の借金があったとしても、相続放棄をした人は、「最初から相続人でなかった」という扱いになるので、一切の借金を引き継がなくても済みます。

被相続人が誰かの連帯保証人になっていた場合も、保証人の地位を引き継がなくて済みます。

相続放棄をするとマイナスの財産だけでなく、プラスの財産まで相続できません。

相続放棄の申し立ては、限定承認と同様、自分に相続開始があることを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に対して行わなければなりません。

相続放棄の手続きは、家庭裁判所に相続放棄申述書と戸籍謄本等の必要書類を提出して行います。

家庭裁判所に書類を提出してから裁判所が相続放棄の申述を受理するまで1~2か月程度かかります。

相続放棄が認められた後は、相続放棄を撤回することはできません。

相続放棄を行った者に子がいたとしても、その子が被相続人の財産を代襲相続することはありません

 

○相続の開始を知った時とは

 ①亡くなったことの事実を知った時

 ②それにより自分が相続人になったことを知った時

 

相続を承認するか放棄するかを判断するには、被相続人にどの程度の財産があるかを調査する必要があります。

「関心をもつのは年金に医療費、……、最近の日本人はどうも国に頼らないと生きていけないのかね」
伊集院静

相続のパターン

 相続のパターンは、以下の3パターンです。

相続に関して3つの方法を用意して、相続財産をどのように受け継ぐのか、又は受け継がないのかを選択できるようにしています。

①単純承認

②相続放棄

③限定承認

 

単純承認

 プラスの財産とマイナスの財産のすべてを引き継ぐことをいいます。 

通常、相続するといった場合には、この単純承認を指すケースが一般的です。

相続開始を知った時から3か月以内に、相続放棄あるいは限定承認の手続きを取らなかった場合、自動的に単純承認となります。

相続放棄

限定承認

 マイナスの財産がある場合、プラスの財産の範囲内で相続し、マイナスの財産が上回っている場合にはその上回った部分の金額は相続しない方法です。

相続人全員の同意のもとに行われます。

限定承認の手続きも、相続放棄と同様、家庭裁判所に対して申述を行う必要があります。

申述は、自己のために相続の開始を知った時から3か月以内にしなければなりません。

3か月以内に相続方法が決められない場合には、家庭裁判所に「相続の承認または放棄の期間の伸長」を申し立てると期間を延長してもらうことが可能です。

限定承認の手続きを行った場合は、後日、多額の負債が発覚した場合でも、相続した財産の限度で支払いをすればよいとされており、負債へのリスクを最小限に抑えることができます。

相続財産で全債務を完済できない場合は債務額の割合に応じて弁済します。

遺産の中に自宅や自動車など、相続人がどうしても取得したい遺産がある場合には、「先買権」という方法があります。

自宅が競売にかけられたとき、限定承認を行った相続人が「先買権」を行使して優先的に自宅を購入することができるものです。

先買権を行使するために、家庭裁判所に対して鑑定人を選任してもらう手続きをします。

鑑定人が評価した自宅の価額を支払えば、自宅を確保できます。

支払額は、のちの債権者への支払いの原資になります。

限定承認であれば、あとから発見されたプラスの財産を相続することが可能です。

限定承認を行うと、税務上は、被相続人から相続人に対し財産の譲渡があったものとみなされます。

そのため、限定承認の場合は、被相続人から相続人に財産が時価で譲渡されたとみなされ、譲渡所得税を納める必要があります。これを「みなし譲渡」といいます。

限定承認では多くの場合、相続財産を売却・換価して債務の弁済に充てることになりますが、その際には被相続人に対して「みなし譲渡所得税」がかかりますので、準確定申告をする必要があります。

限定承認の申述をすれば手続きが終わるというわけではなく、その後に除斥公告・弁済といった清算手続きを行って、初めて限定承認の手続きが完了するという大変さがあります。

限定承認をした相続人は、相続財産を自己の固有の財産と同一の注意義務を持って管理しなければなりません。

限定承認は、実際にはごくわずかしか利用されていません。それは、手続きが大変だからです。

 

法定単純承認

 一定の条件に当てはまることで自動的に単純承認したとみなされます。これを法定単純承認といいます。

「人生は自信と楽観が一番重要」
藤原正彦(数学者)

限定承認における準確定申告

 準確定申告とは、1月1日~亡くなった日までの間に、被相続人に確定申告が必要な収入等があった場合に行う必要がある所得税の申告のことです。

相続人は、原則として被相続人が亡くなった日の翌日から4か月以内に、所得税の確定申告を税務署に提出しなければなりません。

限定承認をすると、税制上は亡くなった被相続人から相続人に財産を売却したことになり、譲渡所得(みなし譲渡所得)に所得税が課税されます。

 準確定申告で課税される所得税は、被相続人に課税される所得税ということになりますので、相続税の計算においては債務として控除することができます。

限定承認があった場合には、相続人が相続時に時価で不動産を取得したものとして取り扱うので、不動産を短期間で売却する場合は、「短期譲渡」に該当し、税率が高くなる可能性があります。

 

故人にプラスの財産とマイナスの財産がどれくらいあるかがはっきりしない場合

「詮じつめれば、一切のものの大元は只で、値は人のつけたものなのである」中村天風

 

【相続放棄の期限】

 相続放棄ができる期限は「相続の開始を知ったときから3か月以内」と限られています。この3か月のことを「熟慮期間」と呼びます。

この熟慮期間である3か月を過ぎてしまうと、単純承認をしたという扱いになり、相続放棄をすることは原則できません。

後順位相続人の申請期間は、「相続の開始を知った日」からではなく、「先順位相続人の相続放棄手続きが完了したことを知った日」から3か月以内です。

他の相続人の「プラスの財産はない」というという嘘を信じて相続放棄をしたような場合は取り消せる場合もあります。

被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内では、負債がプラスの財産を上回っているのかが判断できない場合は、期間の延長を家庭裁判所に申し立てることは可能です。

 

相続の承認期間の伸長

 債権者による請求が遅延したなどといった特別な事情があった場合には3か月が経過しても、債務超過であることを知ってから3か月以内に手続きを行うことができます。

家庭裁判所で認められると、原則として3か月の期間が延長されます。

以下の理由が考えられます。

①必要書類が揃わないとき

 必要書類が揃わない場合には、戸籍謄本など揃っていない書類は入手でき次第提出することを伝え、申立書だけでも裁判所に提出します。

②相続人が多いとき

③被相続人とは疎遠であって、マイナス財産の状況がわからず、相続放棄の判断を迷っているとき

 

相続が発生したことを知った時から、3か月が経過してしまった場合も、相続放棄を期間内にできなかったことについて「相当な理由」がある場合には、相続放棄が認められるケースもあります。

「日本人の美徳や倫理観は世界で類を見ないものです」ボーク重子

3か月経過後の相続放棄】 

 3か月の熟慮期間が過ぎてしまった場合でも、放棄が全く認められないわけではありません。

相続放棄を期限内にできなかったことについて「相当な理由」がある場合には、期限を過ぎていても相続放棄を認めようというものです。

①被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたこと、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況から見て、その相続人に対し、相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって、相続人において上記のように信じたことについて相当な理由があると認められるとき

何が相当の理由に該当するかかについては、明確な基準はなく、実態に応じて裁判所が判断します。

②相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があること

③相続人が借金のことを知らなかったとき

④会社を経営していた場合などで、後日、連帯保証の債務者であったこと判明したとき

⑤相続人が被相続人の亡くなった事実を知らなかったとき

 

相当な事情があると家庭裁判所が認めた場合には、相続財産の存在を知った時から熟慮期間が開始することになり、そこから3か月となります。

 

相続放棄が認められないケース

①相続人が相続放棄の申述をしていない場合。

単純承認をした場合(承認しているとみなされる場合を含む)。

③相続の開始があったことを知った時から、3か月を経過した場合。

④相続放棄をした後に、相続財産の全部、または一部を隠匿、消費したり、わざと財産目録に記載しなかった場合。

⑤経済的価値が高いものを形見分けした場合。

⑥必要書類が不足している場合。

⑦申述者の真意によらない申し立てが行われた場合。

 

相続放棄が却下された場合の対処法(即時抗告)】

 相続放棄の申述が却下された場合、再度相続放棄の申し立てをすることはできません。ただし、2週間以内であれば「即時抗告」という不服申し立ての手段をとることができます。

ただし、一度下した判断を裁判所に変えてもらうのは、非常に困難であることを覚悟してください。

 

相続放棄のメリット

①借金などの負債を負う必要がなくなる

②遺産分割協議に関わらなくてよい

 相続放棄をすることによって相続人ではなくなります。

とかくありがちな相続争いに関わらなくて済むようになります。

③相続財産を特定の人に集中させることができる

 

相続放棄のデメリット

①すべての遺産を放棄しなければならない

 相続放棄をすると、借金や滞納金などのマイナスの財産だけでなく、不動産や預貯金などのプラスの財産も引き継げなくなります。

②撤回ができない

 いったん相続放棄をすると、撤回することはできません。

③家庭裁判所での手続きが必要

④次順位の相続人に相続権が移る

 自分の相続放棄により相続順位が変動し、次順位の親族に思わぬ迷惑をかけることがあります。

「笑顔の背後には当たり前のように涙もある。それを知ることが『大人』になる条件」伊集院静

相続放棄を検討した方がよいケース

①亡くなった人に借金がある場合

 ただし、借金額を上回る資産がある場合には相続放棄しない方が得になる場合もあるので、資産と負債を差し引き計算して、遺産の評価がマイナスになるときに相続放棄をするとよいでしょう。

②被相続人が連帯保証人になっている場合 

 債務者が滞納や自己破産などをしてしまうとその債務は相続した人が負担しなければなりません。

被相続人が債務の保証人になっていたかどうかを確認する方法としては、金銭消費貸借証書を確認する方法があります。

③被相続人が損害賠償や慰謝料を請求されている場合

④被相続人に滞納家賃がある場合

⑤相続人が債務超過である場合

 相続財産がプラスでも、相続人に借金があれば、せっかく承継した相続財産が借金の返済に充てられてしまう恐れがあります。

⑥他の相続人に関わりたくない場合

 何も相続しなくても、遺産分割の話し合いなどで、他の相続人と関わらなければならないことが多くあります。相続放棄をすれば相続人ではなくなりますので、そのような煩わしさから解放されます。

⑦生命保険金がある場合

⑧他の相続人に相続分を譲りたい場合

⑨訴訟の被告が被相続人である場合

 

共有持ち分の相続放棄】 

 不動産のように分割することが難しい財産は、分割せずに、相続分を持ち分として共有することがあります。

不動産の共有関係から離脱したい場合に考えられる方法が、共有持ち分の放棄です。

持ち分の放棄を行うと、他の共有者がその持ち分割合に応じて放棄された持ち分を取得します。

共有持分の放棄は、共有者の一方的意思表示により効力を生じますが、登記は他の共有持分権者との共同で行います。

 

民法255条 共有者の一人が、その持ち分を放棄したとき、または死亡して相続人がないときは、その持ち分は他の共有者に帰属する。

 

他の共有持分権者が複数いる場合には、その持ち分割合に応じて帰属します。特定の人の共有持分を増やすということはできません。

 

■共有物への行為と必要な持分

①保存行為

 保存行為とは、共有不動産の現状を維持するための行為をいいます。

 必要な修理、補修、妨害排除請求、法定相続による所有権移転登記などです。

 各共有者が単独でできます。

②管理行為

 管理行為とは、共有不動産の性質を変えない範囲内の利用行為、改良行為です。

 賃貸借契約締結、賃料減額等。

 共有者の持分価格の過半数が必要です。

③変更・処分行為

 変更・処分行為とは、次のいずれかに該当する行為をいいます。

 ア 物理的変化を伴う行為

  利用形態、形質の変更。

  建物の場合は建築、大規模修繕、解体等。

  山林の伐採。

 イ 法律的に処分する行為

  売却、贈与、抵当権の設定などです。

 共有者全員の同意が必要です。

「今、目の前のものをまず徹底的に片づけること。そうすると、必ず意味は降ってきます」中谷彰宏

持ち分を放棄したときの課税

 

共有農地の持分放棄

 農地の権利移転には、農地法の許可が必要ですが、共有持分の放棄により農地の持分を取得したときは、農地法の許可は不要です。

 

共有名義のメリット 

①公平感がある

 賃貸物件を相続人が共有することで安定した収入を公平に分配、確保することができます。

②贈与税がかからない

③夫婦でマイホームを購入した場合に、共有名義で登記をすると夫婦それぞれの収入に対して「住宅ローン控除」の適用を受けることができます。

④売却益にかかる特別控除(3,000万円)を人数分受けられる。

 

共有名義のデメリット 

 不動産を相続しても、売却の予定がなければ、相続登記をせずにそのままにされていることが多くありました。しかし、空き家問題や不動産の有効活用の観点から、不動産登記の義務化が検討されています。

各共有者は共有不動産の自由な処分や利用に大きな制約を受けるため、当該不動産を有効に活用することには困難が伴います。

①他の共有者全員の同意を得なければ、共有不動産の売却、建物新築、増改築や建物の解体などを行うことができない。

②固定資産税・都市計画税の納付義務がある。

③共有者が亡くなった場合、相続の対象になる

 相続人が複数いるような場合は、共有者の数が多くなり権利関係が複雑になるということがあります。

④離婚した場合、売らなくてはいけなくなる可能性が高い。

⑤費用が倍かかる

 登記をする場合には、人数分の費用がかかります。住宅ローンの諸費用も人数分かかることもあります。

⑥共有状態が長く続くと、権利関係がさらに複雑化してしまう可能性がある。

 

夫婦共有名義のデメリット

①どちらか一方の単独名義に変更する場合は、金融機関への連絡と承諾が必要です。

②共有者が他界した場合、配偶者や子供以外の相続人がいたときには、面倒になることもある。 

 

共有持分の放棄と贈与税

 共有持分を放棄した場合、他の持分権者に「贈与税」がかかる可能性があります。

民法では単独行為となり贈与に該当しませんが、相続税法上ではみなし贈与となり他の共有者には贈与税が課税されます。

「どんな小さなものでも 見つめていると宇宙につながっている」
まど みちお

生命保険金と相続放棄】 

 生命保険金は受取人の固有の財産なので放棄の対象にはなりません。

ただし、死亡保険金の受取人として、「亡くなられた方ご自身」か指定されている場合は、相続放棄をすると死亡保険金を受け取ることができなくなります。

保険金受取人に、被相続人以外の人が指定されている場合は、死亡保険金は受取人個人の財産となり、受け取ったとしても、相続放棄には影響しません。

 

【遺族年金等と相続放棄】 

 相続と年金は別物ですから、相続放棄をしても、遺族年金や未支給年金を受け取ることができます。

法律上、遺族年金は「相続財産」という扱いではなく、「年金受給権」という遺族自身が持つ権利とみなされているからです。

未支給年金とは、死亡した年金受給者に支給すべきなのに、支給されなかった年金のことです。

介護保険や健康保険の還付金については受け取り手続きを行ってしまうと単純承認とみなされて相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。

 

相続放棄をしても受け取れる財産】 

 相続放棄をしても、「被相続人の財産とはいえない」財産を受け取る権利はなくなりません。

相続放棄の対象とならず、受け取ることができる財産は「みなし相続財産」です。相続税の課税対象にはなります。

死亡保険金(生命保険金)

 死亡保険金は相続財産とは別に扱われますので、相続放棄をした人でも受け取れます。

ただし、受取人とされた人が被相続人その人のときには、生命保険金は相続財産となるので、相続放棄をした相続人は受け取れません。

遺族年金、死亡一時金

 遺族年金は、「残された家族の生活を保障する」ことを目的に、法律によって受給権者や需給方法を定められている年金で、遺族の固有の財産と解されていますので、相続放棄をしても受け取ることができます。

③未支給年金

 相続とは無関係な遺族の固有の権利であると認められているため、相続放棄をしても受け取ることができます。

香典

 葬儀費用は「香典」から支払われるのが一般的ですが、香典は遺産ではなく、葬儀をとり行う喪主への贈与財産です。

祭祀財産(お墓、仏壇、家系図など)

形見分け

 形見分けの時期について、ルールはありませんが、一般的には、四十九日法要等で親戚縁者が集まった時に行われることが多いようです。

相続放棄であっても形見分けは可能であるとされています。

相続財産全体の額・被相続人・相続人の経済状態・形見分けの趣旨などの総合判断になると考えられています。

身内では「形見」と思っていても、市場的な価値のある骨とう品や美術品、宝飾品などを形見分けとして相続人で分配する行為は、相続財産の処分あるいは隠匿として、法定単純承認とみなされる可能性があります。

「常識の範囲内」が判断基準になります。

「空の上から見た個人なんて、画面の中の砂粒みたいなもので、財産…名家…キャリア…、人類全体として考えたら、取るに足らないような差……」
伊集院静

 

判断が分かれる財産】 

死亡退職金

 相続放棄をした人が被相続人の死亡退職金を受け取れるかどうかについては、死亡退職金の性格・支給に関する定めから慎重に判断する必要があります。

具体的には、その会社の退職金規定がどのように定められているかを確認する必要があります。

退職金規定で、特定の遺族が死亡退職金の受取人として指定されている場合には、その受取人は、死亡退職金を相続財産とは別に受け取ることができます。

退職金規定が遺族の生活保障を目的としていて、民法とは別の立場で受給権者を定めたものである場合は、受給権者固有の権利であり、相続財産ではないとされています。

退職金規定には受給権者が指定されていることが多いので、死亡退職金は原則として相続財産には含まれないと考えてもいいと思います。

受給権者が定められていないか、受給権者が被相続人と定められている場合は、被相続人の財産となるために、相続財産に含まれます。

被相続人が公務員であった場合は、死亡退職金は遺族の権利と法律で明確に定められていますので、受け取っても単純承認にはなりません。

多くの会社の就業規則では、退職金支給に関する規定を「労働基準法施行規則第42条から45条までの定め」を準用して支給すると規定されています。

退職金規定などで民法の相続人とは異なる範囲、順位で受給権者が定められている場合は、受取人固有の権利として死亡退職金を受け取れます。

死亡退職金は、被相続人からの贈与ではありませんが、他の共同相続人との間の不公平が、特別受益を定めた民法の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、特別受益の規定が類推適用され、受け取った死亡退職金が相続分の計算において考慮される可能性はあります。

税法上では、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した退職金は、相続財産とみなされる(みなし相続財産)ことになっています。

ただし、死亡退職金の合計額が非課税限度額(500万円×法定相続人の数)以下であれば、相続税は課税されません。

 

●労働者が退職後に死亡した場合

 労働者が退職した後、退職金を受給する前に死亡した場合は、退職金は相続財産となります。

 

高額医療費の還付金

 高額医療制度とは、公的医療保険における制度の一つで、月の初めから終わりまでの医療費が高額になった場合に、一定の額が払い戻される制度のことです。

高額医療費は、年齢や所得に応じて、ご本人が負担する医療費の上限が定められており、所定の条件を満たすことにより還付が受けられます。

終末医療には多額の医療費がかかるため、高額医療費制度を必要とされる方は多いです。

高額医療費は、世帯主や被保険者が受け取る権利です。

相続放棄をする前に、高額医療費を受け取っていると、相続放棄ができなくなることがあります。

・亡くなったのが世帯主である場合

 高額医療費は、世帯主が受け取る権利ですから、亡くなった方が世帯主だった場合は、還付金は被相続人の相続財産になりますので、相続放棄をすると受け取ることができません。

・亡くなったのが世帯主以外である場合

 世帯主以外の方が死亡した場合、相続人である世帯主が高額医療費を請求したとしても、相続財産を相続したことにはならないため、相続放棄の手続きは可能です。

人の話は心で「聴く」もの
「聴く」とは、「目と耳と心を十分に働かせて、話に耳を澄ます」もの。

相続放棄の流れ

①財産調査

 相続放棄をするかどうかを決めるためには、債務超過になっているかどうかを確認することが重要です。

②必要な書類の取得

 相続放棄申述に必要な被相続人の戸籍謄本、申述人の戸籍謄本、被相続人の住民票、収入印紙、相続放棄申述書などの書類を取得します。

 戸籍謄本…450円/1通

 除籍謄本・改正原戸籍謄本…750円/1通

③相続放棄申述書・添付書類の提出 

 申述先は、被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所です。

④裁判所から送られてくる照会書に必要事項を記入して返送する。

 申述書を家庭裁判所へ提出してから、約1週間から10日後に、裁判所から相続放棄に関する照会書が送られてきます。

 照会書には、亡くなった方の死亡をいつ知ったか、相続放棄は自らの意志なのか、なぜ相続放棄をしたいのか、亡くなった方の遺産に手を付けたことがないか、といった内容が記載されています。

相続放棄申述受理通知書を受領する。

 照会書の返送を受けた家庭裁判所は書類を審査し、問題がないと判断した場合は相続放棄の申述を受理し、申述者に対して相続放棄申述受理通知書を送付します。

照会書を返送してから約1週間から10日後になります。

ただし、相続放棄の申述をしているにもかかわらず、単純承認をしたと認められる行為をしていた場合には相続放棄が認められません。

 不動産の名義変更を行う場合は、相続放棄申述受理証明書(収入印紙150円)が必要になります。

紫式部公園

相続放棄に必要な書類】

 相続放棄は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所の申し出ます。

相続放棄申述書

 相続放棄申述書は、相続人が相続を放棄するという意思を家庭裁判所に対して申し述べるための書類です。

本籍、住所、氏名、相続放棄の理由など必要事項を記載します。

②被相続人の住民票除票または戸籍の附票

 相続放棄を扱う裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所と定められているために、被相続人の最後の住所地を証明します。

③被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

 被相続人と相続放棄をする人の関係を証するために必要です。

 被相続人の死亡の記載があるものが必要です。

 他の相続人からすでに提出されているものは不要です。

 被相続人と、相続放棄をする申述人の関係により、取得する書類が異なります。

④相続放棄をする人の戸籍謄本

⑤収入印紙(800円/1人):手数料です。コンビニエンスストアや郵便局で購入することができます。

⑥郵便切手:家庭裁判所から郵便で通知を送る際に使用する連絡用です。

「虚しく往きて実ちて帰る」
空海

相続放棄の注意点】 

①相続を承認したとみなされる行為(単純承認) 

 ・相続財産の全部または一部を処分した

  ただし、保存行為及び民法602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りではありません。

  単純承認とみなされる処分行為は、売却、譲渡、抵当権設定といった法律行為だけでなく、相続財産を損壊、廃棄するといった事実行為も含まれます。

遺産を隠したことが発覚した場合も、放棄が認められません。

 ・熟慮期間の徒過

  「3か月」に期限内に限定承認も相続放棄もしなかった場合には、単純承認をしたものとみなされます。

  先順位の相続人全員が相続放棄をしたために自分が相続人になったという場合は、先順位の相続人全員が相続放棄をしたことを知った時から3か月以内です。

②相続放棄ができるのは3か月以内

 3か月の期限は、家庭裁判所に申し立てることで、伸長することができます。

③必ず家庭裁判所に申し立てる

 相続放棄は家庭裁判所で行わない限り、効力がありません。

④相続放棄は取り消しができない

 家庭裁判所に相続放棄を申し出て認められると、たとえ3か月の熟慮期間内であっても撤回することはできません。

 ただし、以下の場合は相続放棄の取り消しができることがあります。

 ・他の相続人に脅されたり騙された場合

 ・未成年者が単独で相続放棄をした場合

 ・成年被後見人本人が相続放棄をした場合

 ・後見監督人がある場合、被後見人もしくは後見人がその同意を得ないで相続放棄をした場合

 ・被保佐人が保佐人の同意を得ないで相続放棄をした場合

 取消権は追認することができる時から6か月行使しないとき、放棄又は限定承認をした時から10年を経過した時のいずれかの場合、消滅します。

⑤相続放棄をした人の子は代襲相続ができない。

 相続放棄をした人は最初から相続人でなかったことになるため、その人の子が代襲相続することはできません。

⑥他の相続人との間でトラブルが発生することもある

 ご自分が放棄すれば相続権が発生する方々と、事前に相談したうえで放棄の決定をすることが賢明です。

 最終的に第三順位までの相続人(被相続人の兄弟)が法定相続人になります。

⑦相続人不存在になる場合がある

 相続人がいなければ、遺産は最終的に国に納められます。

⑧生前に相続放棄をすることはできない

⑨相続税法上は「相続放棄がなかったもの」として計算する

⑩生命保険金・死亡退職金の非課税枠が使えない

⑪相続放棄後も続く相続人の義務

 相続放棄後も現金や不動産、ローンといった資産や負債の管理をすることは相続人の義務として残ります。

 

相続放棄が認められなかった場合には、不服申し立ての手続きを行うことができます。

「1週間やれば日常が変わり、1か月やれば生活が変わり、1年やれば人生が変わる」藤田紘一郎

相続放棄が認められない

 

 

 

 

「着飾らくてもいいから、日常を大切にすること。日常を誰に見られてもいいように、きちんと生活すること」
佐々木俊尚

相続放棄と相続税申告

①基礎控除

 相続の放棄があったとしてもその放棄がなかったものとして計算します。 

3,000万円+600万円×相続人の数(相続放棄者を含む)

相続人が減る分各相続人にかかってくる税額は増えることになります。

②生命保険、死亡退職金の非課税枠

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