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売家・売土地の泉
㈱レック 〒745-0806 山口県周南市桜木2丁目1-1
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相続税の申告期限は相続開始の日から10か月以内です。
10か月以内に遺産分割協議がまとまらなくても、相続税の申告及び納税は必要で、未分割申告で対応します。
申告が必要になるのは以下の2つの場合です。
①遺産総額>基礎控除 であり、相続税が発生する場合
②申告が必要な特例を利用する場合
最終的に納めるべき相続税がない場合であっても、申告は必要です。
「相時相続控除・未成年者控除・障害者控除」により、遺産総額は基礎控除を超えるが、相続税がかからない場合には、相続税の申告は不要です。
【未成年者控除】
未成年の相続人が成人になるまでの教育費や養育費の費用を考え、相続税の負担を少なくしようという特例です。
満20歳未満の相続人において、10万円×満20歳になるまでの年数で計算した金額を控除できるのが未成年者控除です。
未成年者の年齢は満年齢で計算され、1年未満の期間は切り捨てます。例えば、12歳6か月の場合は12歳となります。
20歳に達するまでの年数を計算した時に、その年数が1年未満であるときは、これを1年として計算します。
遺産額から控除される基礎控除とは違い相続税額から直接控除されるため、相続財産の額によっては全額控除されることもあり得ます。
未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれない場合は、その引ききれない部分の金額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。
それでも余った場合には次の相続に残しておくことも可能です。
○適用対象者
・相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所があること
①日本国籍を有している。
②その人または被相続人が、相続開始前5年以内に日本国内に住所を有したことがある。
・相続や遺贈で財産を取得した時に20歳未満であること
※民法の改正により2022年4月以降は18歳未満に改正される予定です
・相続や遺贈で財産を取得した人が被相続人の法定相続人であること
○過去に未成年者控除を適用したことがある場合
未成年者控除は、複数の相続に渡り利用が可能です。ただし、控除額に限度が設けられています。
前回の相続で控除額に余剰が生じている場合は、今回の控除額と前回の余剰分のいずれか少ない方の額の控除を受けることができます。
○相続税の未成年者控除を申告する際に必ず必要になる「特別代理人」とは
未成年者は原則として法律行為を行うことができません。
通常、未成年者の代理人は親権者が務めますが、親と子が遺産を分け合う状況で親が代理人になると、親と子で利益が相反して子の権利が侵害される恐れがあります。
相続の場合は法定代理人(親)も相続人であることから、平等な遺産分割が行えない可能性があります。
両当事者の利益相反を是正し、公平な相続手続きを実現するためにこの特別代理人を選任する必要があります。
特別代理人は家庭裁判所が第三者を選任し、代理が必要な行為を子の代わりに行います。
一般的には相続に関係のない親族、例えば、祖父母や叔父叔母等が特別代理人になることが多いようです。
適任者がいない場合には、家庭裁判所が専門家である候補者を選任します。
未成年の相続人が複数いる場合は、その人数に応じて特別代理人を選任します。
未成年者の親権者や利害関係のある人が家庭裁判所に特別代理人の申し立てを行います。
申立書には候補者を記載する欄があります。
特別代理人は、家庭裁判所の審判によって決められた手続き以外を代理することは一切できず、その行為が終わった時点で任務は終了します。
【障害者控除】
障害を抱える相続人(85歳未満)が遺産を相続した場合に相続税が軽減される特例措置です。
相続税額-障害者控除額=納税額
控除額=(85歳-相続開始日の障害者の年齢)×10万円(特別障害者は20万円)
年齢に1年未満の端数がある場合は切り上げて1年として計算します。
障害者である相続人の相続税で控除しきれなかった分の障害者控除額は他の相続人(扶養義務者であることが必要)の相続税額から控除することができます。
○適用対象者
・財産を取得した時に日本国内に住所があること
・財産の取得は相続又は遺贈によるものであること
・法定相続人であること
この法定相続人には、相続放棄により民法上の相続人ではなくなった人も含みます。
・障害者であること
障害者に該当するかどうかは、「相続開始日」で判定します。
【生命保険の非課税枠】
法定相続人の数×500万円です。
生命保険の受取人の範囲は基本的に、「配偶者及び2親等以内の血族」とされています。生命保険を利用した犯罪や不正を防止する観点で決められています。
保険金の受取人が、内縁の妻や夫など相続人でない人の場合は、非課税枠は適用されません。
死亡保険金の非課税限度額を求めるときの法定相続人の数には、相続放棄をした人も含まれます。
【内縁の妻を生命保険の受取人に指定したい場合】
【内縁の妻の子供の相続権】
【遺贈と相続税】
【外国税額控除】
【申告期限に間に合わない場合】
相続税の申告と納付は、「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」に済ませなければなるません。
遺産分割協議が長引くと、遺産の配分が申告期限に間に合わない場合があります。
・遺産分割が確定しない場合
「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、法定相続分により計算された金額で期限内に申告と納付をし、分割が決まり次第改めて申告をすることが可能です。
なお、遺産分割協議が終わっていないので、この時点では「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減の特例」などは適用できません。
遺産分割の決定後、1回目の申告時よりも税金が多く出た場合は、「修正申告書」を提出して税金を納付し、税金が減った場合は「更正の請求」を提出して1回目に多く納付した税金を還付してもらいます。
・遺産の評価が確定しない場合
申告期限内に概算で税額を多めに申告しておきます。
【申告期限の延長】
相続税の申告期限の延長は原則できません。しかし、特殊な事情がある場合に限り、税務署に申請して申告期限を延長できます。申告期限の延長が認められる場合は以下の通りです。
・相続人となる胎児が実際に生まれた場合
相続税申告時は生まれておらず、生まれたとみなし相続人として計算されていた場合
出産から2か月間の延長が認められます。
・相続人の異動があった場合
相続人の人数が変わった場合です。もう一度計算をし直すためです。
・災害その他やむを得ない理由がある場合
・遺贈にかかる遺言書が見つかった場合や、遺贈の放棄があった場合
・遺留分減殺請求があった場合
遺留分が認められるまでに期間を要するために申告期限の延長が認められます。
・相続等により取得した財産の権利の帰属に対する訴えの判決があった場合
・申告期限前1か月以内に死亡退職手当金の支給額が確定した場合
【新型コロナに係る相続税の申告延長】
【申告期限を過ぎてはいけない理由】
①相続税の軽減ができる特例が使えなくなる
その特例とは、
・配偶者の相続税額の軽減
・小規模宅地等の特例
・農地の納税猶予
などです。このような特例が適用されると相続税が大幅に減額できますが、適用されなければ、通常通りの税額になってしまうため、納付する相続税が大きく変わります。
②1日でも申告期限を超えると追徴課税がかかる
③申告期限の延長は原則できない
【相続税の延納】
相続税は一括納付が原則ですが、一括での納付が難しい場合は担保を提供することで分割納付(年払い)が可能です。この制度を「相続税の延納」といいます。
延納期間中は延納税額に利子税がかかります。
○条件
①相続税額が10万円を超えていること
延納制度が利用できるかできないかの判定は相続人ごとに行われます。相続人全員の相続税額が10万円を超えていても相続人個人の相続税額が10万円以下である場合は、その相続人は延納制度を利用することができません。
②納期限までに金銭で納付することが困難であること
③金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること
生活に必要な資金は相続税の支払いに充てずに手元に残しておくことができます。
④延納税額に相当する担保を提供すること
不動産、有価証券、登記された船舶などが担保として認められます。
売却できるものでなければ担保に設定できません。
延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合は担保を提供する必要はありません。
⑤申告期限までに税務署に「延納申請書」、「金銭納付を困難とする理由書」、「担保提供関係書類」を提供し、許可を受けること
○延納できる年数・期間
延納できる期間には上限が決められています。延納期間の上限は相続財産の内容によって異なります。
なお、その相続税に付帯する加算税、延滞税及び連帯納付責任額については、延納の対象にはなりません。
○延納の利子税
延納制度を利用した場合は利息として利子税を支払う必要があります。
分割された延納税額を毎年支払うことで相続税額の未納分は年々減り、それに伴い利子額も減少します。
国税は、金銭で納付することが原則ですが、相続税に限っては、納付すべき相続税額を納期限までに、金銭によっても延納によっても納付することが困難な事由がある場合には、その納付を困難とする金額を限度として、一定の相続財産で納付することが認められています。これを「物納」といいます。
現金で相続税を納めることができる方は、この制度を使うことはできません。
物納制度の適用要件は非常に厳しく、物納できる財産の種類や順番まで決められています。
不動産を普通に売却するより低額になりがちですが、死亡を知って10か月という納付期限や売却して譲渡所得税が発生することを考慮すると、物納した方がいいこともあります。
相続税に附帯する加算税、利子税、延滞税及び連帯納付責任額については、物納の対象にはなりません。
○物納の要件
①延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつその納付を困難とする金額を限度としていること。
②物納できる財産の種類や順番を守ること。
物納できる財産は限られており、順位があります。
③「物納申請書」及び「物納手続関係書類」を期限までに提出すること。
④物納的確財産であること.
〇物納財産の収納価額
物納財産の収納価額は、課税価格計算の基礎となったその財産の価額(相続税評価額)になります。
小規模宅地等の特例などの相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の収納価額は、これらの特例適用後の価額(50%または80%の評価減後の金額)となります。
収納時までに著しい状況変化のあったときは収納時の現況により税務署長が定めた価額で収納されます。
○相続税の時効
10年以内に続けて相続が発生した場合に、一時相続の相続税を二次相続の相続税から一部控除できるという内容の特例です。
大きくなる相続税の負担を軽減するための制度です。
二時相続の被相続人が一時相続の時に納付した相続税から、「一時相続から二次相続までの経過年数」×10%が減額されます。
相似相続控除が受けられるのは次の3つの条件をすべて満たす二次相続人です。
①二次相続の相続人であること
相続放棄をした人および相続権を失った人がたとえ遺贈により財産を取得しても、この制度の適用は受けられません。
②一時相続から二次相続までが10年以内であること
③一時相続で相続税が課税されていること
相次相続控除を適用した結果、相続税がゼロになる場合は申告手続きを行う必要はありません。
○相続税の取得費加算の特例
相続した財産を譲渡すると譲渡益が生じますが、譲渡益には税金がかかります。
相続時には相続税を納め、相続した財産の譲渡益には再び税金がかかれば、それはこの上ない苦痛です。
そこで役に立つのが相続税の取得費加算の特例です。
取得時加算の特例とは相続開始から3年10か月以内に相続財産(土地、建物、株式など)を売却した場合、売却した資産にかかる相続税を譲渡益から控除することができる制度です。
特例の適用には、必要書類を添付した上で確定申告が必要です。
特例を受けるための3つの要件
①相続や遺贈によって財産を取得した人
②その財産を取得した人に相続税が課税されている
③その財産を、相続発生の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年以内に売却している
【財産放棄】
財産放棄とは、遺産分割協議において、ある相続人の「財産を相続しない」という意思を汲んで、その人の相続分をゼロとして遺産分割を行うことをいいます。
一般的に、遺産分割協議の後に作る遺産分割協議書に、遺産放棄する旨を記載することになります。
ただし、財産放棄は、法的な制度の名称ではありません。法律上は相続人です。
●遺産放棄のメリット
①「遺産分割協議書」の中に記載のない財産がある場合には、この新たな財産については依然、相続人としての権利を持ちうる。
●遺産放棄のデメリット
①債権者には財産放棄を主張できない
遺産分割協議によって法定相続分とは異なる割合で借金の負担を定めたとしても、それを債権者に対抗することはできません。
②遺産放棄をした相続人が後日「やはり遺産を相続したい」と態度を翻したりして、どの遺産を取得するのかわからなくなったりすることがある
【放棄の種類】
相続に関する用語として出てくる「○○放棄」には、主に以下のようなものがあります。
①相続放棄
②相続分(共有持ち分)の放棄
相続分放棄は相続財産のみの放棄です。借金を放棄することはできず、債権者から請求された場合、支払いを拒むことはできません。
相続放棄の場合、3か月という期間制限がありますが、相続分放棄には期間制限はありません。
相続分放棄をした場合、その放棄した分を残った相続人がそれぞれの割合で相続します。
③遺産(財産)放棄
④遺留分の放棄
⑤遺贈の放棄